AI Development Workflow
Craft ERP で採用する生成AI × 仕様駆動開発のワークフローです。現在の開発フロー、各 AI の役割、人間の責任範囲を整理し、継続的に改善できる形で記録します。
基本は 人が設計し、AIとつくる。最終判断は人間が持ち、仕様を唯一の信頼できる情報源とします。
本記事の前提となる Craft ERP(生成AI × 仕様駆動開発による小売業向け基幹業務システムの開発プロジェクト)の概要・目的・技術選定方針は Craft ERP Overview にまとめています。
1. 基本思想
- 定義・ルール決め・基本設計・最終判断は人間が行う。
- 詳細設計・実装・テスト・調査の下書きは生成AIを活用する。
- 仕様を唯一の信頼できる情報源とし、AI への指示はその場限りにせず仕様・計画・タスクとして残す(→ GitHub Spec Kit Evaluation)。
2. 開発フロー(図式化)
[人間] 要求・目的・制約を決める
↓
[ChatGPT / Claude] 壁打ち・要件整理・設計案の検討
↓
[人間] 仕様を確定(Single Source of Truth)
↓
[Spec Kit] /specify → /plan → /tasks で仕様・計画・タスクへ分解
↓
[Claude Code / Codex] タスク単位で実装・テスト・リファクタ
↓
[GitHub] ブランチ → PR
↓
[人間 + AI] PR レビュー(人間が最終承認)
↓
[人間] main へマージ・デプロイ
↓
(学びを仕様・AGENTS.md・Notes へ反映 → 次のサイクルへ)
実装に入る前に「何を・なぜ作るか」を仕様として固め、実装後の学びを仕様やルールへ戻すループを回します。
3. AI ごとの役割
| ツール | 主な役割 | 位置づけ |
|---|---|---|
| ChatGPT | 壁打ち、要件整理、設計案の比較、調査の下書き | 思考の発散・整理 |
| Claude | 長文仕様の検討、設計レビュー、文章化 | 思考の収束・文書化 |
| Claude Code | リポジトリ文脈での実装・修正・テスト・調査 | 実装エージェント(主) |
| Codex | 実装・自動化タスク、並行作業 | 実装エージェント(副) |
| GitHub | バージョン管理、PR、CI/CD、Issue 管理 | 開発基盤 |
| Spec Kit | 仕様駆動開発の工程化(specify/plan/tasks) | プロセスの骨格 |
| AGENTS.md | AI エージェント共通の規約・前提の提供 | AI 向けルール |
| Notes 運用 | 判断・気付き・TODO の記録 | 知識の蓄積 |
複数の AI コーディングエージェント(Claude Code / Codex)を、同じ仕様駆動の枠組みで使い分けるのが特徴です。
4. AGENTS.md / 規約の役割
- リポジトリの規約・前提・禁止事項を AGENTS.md(および CLAUDE.md) に集約し、各 AI が同じルールで動けるようにする。
- 「ブランチ運用」「マージは人間が行う」「DB 実装ルール」などを明文化し、AI の逸脱を防ぐ。
- ルールの更新は開発の学びを反映する場であり、ワークフロー改善の中心になる。
5. Notes 運用
- 判断の理由・気付き・調査結果・TODO を Notes(メモ/Issue/RESEARCH)として残す。
- その場限りにせず、後から再評価できる形で蓄積する。RESEARCH 記事もこの延長で技術選定の判断過程を公開している。
6. PR レビュー
- 実装は AI が行っても、PR の最終承認・main へのマージは人間が行う。
- レビューでは「仕様との一致」「整合性・副作用」「過剰実装の有無」を人間が確認する。
- マージはブラウザ上で人間が実施する(ローカル merge は行わない運用)。
7. 人間の責任範囲
- 人間が持つ: 目的・要求の定義、仕様の確定、設計の最終判断、PR 承認・マージ、品質と責任。
- AI に任せる: 実装の下書き、テスト作成、調査・比較の素案、定型作業。
- AI の出力は常に検証対象であり、そのまま信頼しない(仕様・テスト・レビューで担保する)。
8. 継続的改善
- 各サイクルの学びを、仕様・AGENTS.md・Notes・RESEARCH に反映する。
- ツールやモデルは変化が速いため、役割分担は定期的に見直す。
- 「どの作業を AI に寄せ、どこを人間が握るか」の境界自体も運用しながら調整する。
まとめ
- 人が設計し、AIとつくる。最終判断・マージは人間が持つ
- ChatGPT/Claude で発散・収束、Claude Code/Codex で実装、Spec Kit で工程化
- AGENTS.md に規約を集約し、複数 AI を同じルールで運用する
- 学びを仕様・ルール・Notes へ戻すループで継続的に改善する
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このワークフローは、Craft ERP の開発手法の正本です。生成AI × 仕様駆動開発の実践記録として公開しています。